次々と辞める同僚たち

外資系企業で時折見るのが連鎖退職だ。ある人が辞めると次々と退職していく。まるで倒産を察知したかのようにも見えるが、倒産する可能性はゼロに近い。ではなぜ退職するのかというと、大きな方針転換を予期したからだと思う。辞めていくのはかつて会社を支えていた人ばかりだ。

外資系企業で生きる人々は会社名では転職せず、一般的に処遇(ポジション)と仕事内容で転職を決めると言われる。今回の連鎖退職は間違いなくマネジメントに起因している。自分の仕事が十分に満足にできる環境にないと悟った人たちは、早々と見限って外部市場を見るからだ。中には随分と報酬アップする人もいたようだが、その流れに遅れれば処遇ダウンも免れられない。時流を見誤らないことが大事だということだろう。

一方で、その問題のあるマネジメントに自分の処遇アップを持ちかける人もいる。自分が次世代を担うと言わんばかりだが、日頃からリーダーシップを発揮できていればその人が後釜に収まる確率も高い。かくして連鎖退職も止まるようだ。

このようにいま勤める会社では少なからず身近にドラマが潜んでいる。私はそれを、自分の判断を誤らないようにじっと見る日が続いている。