ジョブ型雇用にご用心

外資系コンサル企業を中心にジョブ型雇用を導入する必要性を喧伝しているが、これを鵜呑みにすれば企業経営は大きな間違いに転ずる可能性がある。

まずジョブ型雇用を導入するには会社にあるすべての職務を細胞のように扱い、それぞれの役割を規定する必要があるが、一般的な日本人のマインドでこれをまともにできる人はいない。なぜか。それは我々日本人の視点が子どもの頃から全体主義に浸っているからだ。違いを認めて活かすことが難しいのに、一つ一つの職務を設計させて、そこに報酬差を設けることは相当なペインだろう。

そんなことをすれば、皆んなで協力し合う日本企業の良き文化は破壊されてしまうだろう。外資系に勤めた経験がある私からすれば、日本企業の復活の早道は一人一人の持てる力を最大限に発揮するためのリーダーシップ・トレーニングと企業文化の浸透だけで十分だと思う。