大学で学ぶ意味

多くの学生が学士号取得後に就職し、再び卒業生が学びに戻ってくることが少ない日本の大学の事情が変わろうとしている。

まず企業側の欲しい人材像が変わってきた。難関大学出身者が優秀な確率が高いことを理由に青田買いした時代さえあったが、これはマスで仕事をする時代のことだ。一握りの有能な社員がビジネスを大きく変える社会では、企業の採用担当者の熱視線は必要なスキルセットを持っている人に向けられている。今後でいえば集団就職のように4月1日付で一斉に入社日を迎える企業の状況は徐々に変わっていくだろうし、もっと言えば大企業に属していても幸福な会社人生を送れる時代でもない。

個々人の意識も変わってきている。現代は多様性とスピードが重視されているが、裏を返せば知識やスキルの陳腐化も早いということだ。知識やスキルを最新なものにアップデートする場としてはこれまでは会社であったが、その機会が自分に回ってくるかはわからない。転職市場が拡大しているのはその証左だと思う。では次のアクションは何かというとLearningの時代である。どこで勉強するか、それに企業人向けの再教育訓練の場として大学院の存在が期待されている。

 

人生100年時代ということは今後はおそらく75歳までは働くスキームが作られていくだろう。そこに耐えうるLearning戦略をどう持つのかに社会人としての幸せが隠されているような気がしている。