彼女が実家を訪問して

クリスマスにご両親が淋しくないようにしてあげてくださいと言う彼女の言葉に諭されて、意を決して初めて私の実家に彼女を連れて帰った。大学を卒業したばかりの彼女を見て両親は驚いたが、彼女の心の優しさや教養の深さに私の親の方が彼女に惚れこんだようだった。

 

彼女は両親だけではなく、私の子どもにも優しい言葉をかけてくれた。複雑な心境になるのではないかと想像したが、分け隔てなく温かく迎えて話す彼女を見て、私は目頭が熱くなった。私の選択は間違っていなかった。

 

なぜ年の離れた息子がよいのかと、私を目の前にして両親は彼女に聞いた。それを彼女は私に聞こえないように両親に答えていた。その内容が何だったのか私は知らない。だが、彼女が私の両親と団欒するその姿を見て、彼女が私の家族の一部になっていくを予感した。結婚は来年末となる。