医者という職業

ひよんなことから知り合った今のパートナーの職業は医者である。

彼女は高校時代まで勝つための受験勉強を詰め込まれ、大学の6年間は人体の構造とその病気を文字通り苦しんで学び、その後は患者さんの病と向き合っている。医学の知識は豊富にあっても目の前にいる患者を治癒することができないことも多いそうだ。病巣を看過できない緊張感と患者の精神状態に対する配慮から病院での診察はストレスが高く、一日が終わった後の疲れ具合は横で見ていても気の毒なほどでった。

時給換算で言えば給料は高いが、長い時間の緊張には耐えられないので得られる給料は年間1000万円に満たない。医は仁術とはよく言ったものだと思った。でも職業とは本来そうなのかもしれない。何を生業にして貢献するかであって、年収ではないのだ。