遅すぎた結婚

私が通うクラブにいつも笑顔で接する女性スタッフがいる。会費が少し高めのため、会員の多くが40代という環境の中で20代後半の彼女はまさに「掃き溜めに鶴」で、数多くのおじ様たちの癒しになっていた。

その彼女の結婚の話が今日突然私たちに飛び込んでいた。お相手は同じスタッフの方で、元オリンピック強化選手の人であった。この人も屈託なくいつも親切に私たちに接してくれる。

私はその喜ばしい話を聞いてとても明るい気持ちになったが、友人は違ったようで終始神妙な顔をしていた。彼女のことをそこまで気にしていたことを私は知らなかったが、慰める意味で初めて私は帰りに彼を酒に誘った。彼は会話の途中で、遅すぎる結婚にならずに安心したと、精いっぱいの祝辞を送っていた。