米国での定年後

子どもたちの声を聞きなら長年教師として勤めあげ、教師生活を終えた人はその後どのような人生を送るのだろうか。思い出に浸りすぎることはないのだろうか。その寂しさは克服できるのだろうか。

知人の結論は新たなコミュニティを持つことだった。定年後の教師に声を掛けてボランティアで教師時代に得た歴史や理科等の知識を通じて中学生に物事の要を教えようとしているのを見た。米国らしいなと感じた。

その昔、葬式仏教と言われる前は日本でもお寺が町の中心であったというが、いまは老いて一線を退けば人生の価値も縮小してしまう観念があるように思える。日本ではもっと身近に、もっと日常に老若男女問わない人間関係のコミュニティを作る必要性を感じた。米国の地方を訪問して、日本の田舎の復権はそこにある気がした。