ヨーロッパでの離婚

知人の日本人女性が留学先のヨーロッパで当地の人と結婚し、子どもをもうけた後に離婚することになった。離婚のきっかけは配偶者が10数年来の知人に再び恋に落ちたからであって、彼女との再会があるまではその前兆すらなく結婚の幕引きは突然訪れた。

ヨーロッパの男性というと大人のイメージがあるが、実際にはそうでもないらしい。同じ国の女性との結婚を選択しなかった理由にも様々なものがあるが、良くない理由のひとつに日本女性の優しさに逃げ込むというものがあるらしい。彼の場合はその典型で、最近の様子を聞くと過去に酷い振られ方をしたトラウマから時に現実離れした希望を抱くときがあるらしく、夢見るピーターパンのようなところがあったらしい。

彼の変貌はあまりに突然で彼女は異国の地で茫然自失したが、いま子どものために何とか立ち上がろうとしている。しかし彼女の傷は深い。その昔一緒に学んだ時の彼女の姿が脳裏をよぎり、瞼を閉じずにはいられなくなる。