街の明るさは年齢を忘れさせる

都心と地方都市の最も大きな違いは夜の街の明るさだと思う。大都市に入る横浜から都心部に戻った時にもそれを感じたので、地方都市から初めて東京に移住した人は生活時間が伸びたように感じるかもしれない。

煌めく夜の街は人を恍惚とさせるので時間が過ぎるのを忘れるさせる効果があるというが、それは現実逃避にも通じてくるので自分が年齢を重ねていく実感も持ちにくい。都心では何歳になってもそれなりに居場所が見つけられるので、さらに実感は薄くなる。

しかし夜の街に集まる人々はどこか夜の電灯に群がる夏の虫を想起させる。六本木や新宿、渋谷等に幸せが転がっているわけでもないのに、毎日のように仕事帰りに訪れるのは条件反射である。それでも充実した人生が見つかればそれでよいとは思うが、現実はなかなか難しいだろう。