日記

 いよいよ今年も残すところ3か月を切り、書店で日記コーナーが設けられる時期になった。外資系のベンチャー気質のある会社でドッグイヤーとも言える時間を過ごしているが、秋の到来を感じさせるこの季節にはいつもゆっくりと一人で旅に出たいと思うようになる。

 

 私は日記に無縁なので、日記をつける人はどういう人なのを時々考える。日々の意思決定の精度向上を目的とする人よりも、おそらく今この時を忘れないように書く人が多いのではないかと思う。意思決定の要諦は客体化にあるというがそれは仕事上のことであって、自分のいま生きている人生を客体化することは難しいと思えるからだ。

 

 私の人生も紆余曲折あって、いまはまた新しい挑戦に向けて頑張ろうと考えている。しかしそれは計画されたものではなく散文調で、時には綱渡りだったりする。あくまでも主観的に、情緒的に今を生きるために今日も夜遅くまで自分のできないことに挑戦する。日記に書けるような人生はそれはそれで羨ましいが、どうしても自分のことを日記に書こうとは今は思えない。