趣味を見つけて

元老院の追っ手に恐れをなした暴君ネロが腹心たちが自死を進言された時、家来に「先に死んで手本を見せてくれ」と言ったのは有名な話である。いつの世にも引き際があり、その時機を逸すると恥の上塗りとなる。


わたしの幕引きはあっけないものであった。死力を尽くして取り組んだはずの仕事でプライベートが後回しになれば、老後には何が残るのだろうか。独居死を飾る新聞の見出しが最近はひと際大きく見える。


だから私はこの後の人生を趣味に投じるすることにした。幸い私には読書以外にもひとつスポーツが見つかっている。いまからでも遅くないと信じたい。