年齢

前職の友人と軽く飲む機会を得た。彼女は才女で隙のないタイプであったが、酒が進むとこのまま年をとるのが怖いと言った。


すべてがオーガナイズされたような性格の彼女から思わず出たその言葉は本音だと思う。加齢を急に恐れるのは、無数であったはずの選択肢が急速に失われていくのを突如実感するからだと本で読んだ。


君のこれまでの選択はきっと間違いないと思うよと私は言ったが、涙の再会になってしまった。私の知らない何かに、彼女は大きな喪失感を感じていたようだった。それが何であるかは最後まで彼女は言わなかった。