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絵葉書

   今日は一日たまった本を整理していた。二千冊は優に超える所蔵も読む能力を超えていては意味がない。処分を思い立ちパラパラと目を通すとその本を読んでいた当時の記憶が一気に蘇り、しばらく手が止まった。もともと試練にぶつかると本を買って読み漁るので、自分の成長痛のようなものがそこにはあった。

   結局処分できそうなのは3冊だけ。6時間かかってこの成果かと落胆したが、自分を取り戻す機会にもなった。読んだ中ではやはり武者小路実篤の詩集が胸に去来するものがあった。

    詩集の最後のページには私が海外に出る直前の心境を書いた絵葉書が挟んであるのを発見した。それはいろいろ考えた末に、結局出せずにしまっておいたものであった。宛先は書いていなかった。