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向田邦子の恋愛

向田邦子は生涯独身だったが、二十代前半から妻子ありの男と付き合っていた。十歳以上離れたその男と長い間通い婚の状態にあったが、男の方が病に倒れて身体が不自由になり、最後まで面倒を見ていたようだ。向田邦子は荻窪、男は中野に住んでいた。


その頃は向田邦子も売れっ子で何一つ不自由はなかっただろう。テレビやラジオ、講演会に引く手数多であった様に出逢いも様々あったと思われるが、二十代の頃に一度離れたものの、その後はずっと一緒であった。


世間体や損得では動かない、ぶれない芯の強さがそこにはある。兄弟姉妹も結局はそれを受け入れて支持していた。男が重荷になることを拒否して自死した時、一旦は悲嘆に暮れたとあるがその後は作品を発表し続けた。その頃の作品はいまも語り継がれるものばかりだ。途中で易きに流れれば、その強さは得られなかったに違いない。


『強く契りて、添い遂げよ』

そこから強さというのは生まれてくる。