美人の悩み

最近医療従事者と知り合うことが多い。

まだ若く自分の人生の伴侶を決められないという医療従事者の彼女は私が対面した中でも最も美しい女性だが、自らコミュニケーション障害と語って行く先々の心配を話してくれた。いわく結婚した相手をずっと好きでいられるのか、こどもを持ったら親身に育てられるのか、こどもは自分のことを愛してくれるのか。

浅はかながらも美人に悩みがないと考えていたふしが自分にはあったために思いがけない衝撃だった。普段は非常に明るく几帳面に仕事する彼女にそんな一面があるとは想像できず、話してくれたそれらの言葉が今も脳裏をよぎる。

知人を待つ間の二時間の出来事だった。