FOMOに罹患して

毎日処理するメールの数が200通を超え、チームから脱落者が出て土日を使って仕事をフォローしなければいけなくなった時期にFOMO(Fear Of Missing Out)という言葉を知った。先駆者利益を得るためにスピード勝負で戦う人の精神状態が社会問題化した米国で生まれた言葉だが、それがまさに自分が罹患するとは思わなかった。

幸いにして専門家に掛かることなく本を読むことによって対処法を得て、しかもその後には仕事環境も改善したことになったため深刻なメンタル疾患には至らずに回復基調に向かっている。年収は数年前の2倍になろうとしているが、それで生活の質が向上したようには一切思えない。身の丈以上になることで失うものは多いように思えた。

そんな折にあるイベントで農業で会社を興した女性と話す機会があった。地に足をしっかりつけて生活する彼女を行動を共にすることで、少しずつ自分を取り戻すことができるようになっている。いまは砂浜を彼女と一緒に歩くことが何よりも精神の拠り所になっている。